W800は、日本を代表する現存のクラシックバイクで、多くのライダーを魅了してきた人気モデルです。
その一方で、「最近はあまり乗らなくなった」「そろそろ次のバイクも気になる」と感じているライダーも多いのではないでしょうか?
この記事では、W800の特徴や魅力はもちろん、リセールバリューや査定で評価されやすいポイントをわかりやすくまとめました。
愛車のW800が今いくらで売れるのか、無料でチェックできる査定サービスも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
W800の基本スペック

では早速、W800の基本スペックから見ていきましょう。

以上がW800の基本スペックとなります。
W800は、今はなきSR500を除けば、国内唯一の大型クラシックモデルのバイクです。
(※同系統のエンジンを搭載しているメグロ K3はノーカンとさせていただきました。)
少し歴史に触れておくと、メグロZシリーズを始め、英国クラシックメーカーのノートンやトライアンフなど、Kawasakiはメグロの技術を引き継ぎ、メグロK2をベースにKawasaki W1を開発しました。
これは、当時の国産車としては異例の650cc並列2気筒エンジンでした。
私個人のイメージですが、W800は「心は英国、体はメグロ、家系図はW1」で、いろんなルーツを一身に受けて完成されたのではないかと思っています。
そして、W800の新型では、アシスト&スリッパークラッチやサウンドチューニング、ABSなど、現代の良い要素も吸収して、日本を代表するクラシックバイクとなりました。
しかし、クラシックバイクといっても、52馬力を搭載するエンジンの走りは、余裕さえ感じられる伸びのあるフィーリングで、ストレスは感じさせないでしょう。
そして、先代からの変更点は、前後ホイール径が18インチ化され、フロントフォークは大径化、これによりクイックなハンドリング性能が向上しました。
しっかりと、エンジンや足回りもバージョンアップし、サウンドチューニングで、耳まで幸せにしてくれる素晴らしい進化を遂げたW800を一度体感してほしいです。
W800のメリット・デメリット

それでは、基本スペックや特徴がわかったところで、次はW800のメリット・デメリットを紹介していこうと思います。
W800の5つのメリット
メリット① 国内メーカー唯一のクラシックモデル
イギリスの大手二輪メーカーのトライアンフなどに、立ち向かえるのが、国内唯一のクラシックバーチカルツインエンジン搭載のW800です。
W800は、加速やトップスピードで勝負することなく、空冷の造形美や低速域でも鼓動を感じられるトルクなど、落ち着いた雰囲気を好むユーザーに、愛されているバイクです。
そして、革のグローブやジャケットが似合う大人なバイクで、メッキの輝き、アルミ素材のヘアライン、空冷特有の深いシリンダーなど、どこをとってもクラシックバイクにしか存在しない魅力が溢れています。
W800は大人の楽しみを具現化した、ゆっくりとした時間を味わえるクラシックバイクです。

W800を眺めていると、「速さだけがバイクの魅力じゃない」と改めて気づかされます。
メリット② 音に対しての強いこだわり
ライダーが、バイクをより楽しめるために新型W800では、吸気や排気で生じる音にフォーカスし、再編成する試みを行いました。
それがKawasaki独自のサウンドチューニングです。
Kawasakiは、サウンドルームで音響テストを繰り返し、部品設計を見直すことで性能と音のバランスを整え、より良い物を作り上げてきました。
W800はこの技術のおかげで、往年の名車W1を彷彿とさせる歯切れの良い乾いた音を再現しています。
Kawasakiが、ライダーなら必ず思う「社外カスタムマフラーに交換しないと良い音がしない」という常識を、メーカー自身が覆すという偉業を成し遂げました。
また、等間隔360度クランクや、ロングストローク設計も相まって、歯切れの良い音が奏でられます。

W800は“音で惚れるバイク”と言っても過言ではありません。
メリット③ 心地よい鼓動と力強い低回転トルク
W800は、2気筒エンジン特有のリズミカルな鼓動を感じながら、低回転域からしっかりとトルクが出るため、ゆったりとした走行でも余裕があります。
さらに、ワインディングではフロント19インチタイヤの採用により、バンク角が浅くても安定したコーナリングを楽しめます。
そして、扱いやすいパワー設定も相まって、最高出力こそ控えめですが、排気量由来のトルクで、実用域を安心してカバーできます。

ちょうどいい走りをしてくれるバイクがW800です。
メリット④ ツーリングにも適した実用性
W800は、のんびり走るツーリングスタイルが魅力で、足つき性が良く、長時間のライディングでも疲れにくいという評価が多いです。
ありがたいことに、荷掛けフックが備わっており、シートバッグやサイドバッグの積載性も確保され、リラックスして乗れるのも魅力です。
さらに、大型バイクの割には燃費が比較的良く、ランニングコストを抑えたいライダーからも好評です。

普段使いはもちろん、ツーリングでも頼れる一台です。
メリット⑤ 初心者ライダーにも優しい安心設計
W800は、パワーは強過ぎず、低回転から素直にトルクが出るため、コントロールしやすく安心して走れる特性を持っています。
また、車体の重心が安定しており、立ちゴケしにくいバランスの良さもポイントです。
ABSやアシストスリッパークラッチなど、ライダーの不安を軽減する機能も装備されており、「初めての大型」「久しぶりにバイクへ復帰」のライダーでも、余裕を持って楽しめます。
W800は、スピードを追求するより、「安全・安心・快適」を重視する層にフィットするモデルと言えます。

バイクとの距離をぐっと縮めてくれる一台ですね。
W800の5つのデメリット
デメリット① カスタムパーツの少なさ
W800は、メーカー純正状態で既に出来上がったバイクなので、大きくカスタムしたいライダーには物足りなさを感じさせてしまうかもしれません。
また、ネイキッドモデルとは異なり、フェンダーは純正でメッキタイプを採用しているので、カラー変更をするのも容易ではありません。
社外の外装パーツは、スクリーンやヘッドライト周辺のカウル類などが多く、SNSで見かけるカスタムされたW800のほとんどは、汎用品を加工して取り付けたり、ショップに作ってもらっている場合がほとんどです。
しかし、ハンドルやステップなどのポジション変更パーツは多数販売されているので、自分の体格に合わせて車両をカスタムしていく点では、心配は要らないでしょう。

無理に派手なカスタムをしなくても、W800は純正でも絵になる一台ですよね。
デメリット② ガソリンの減り具合がわからない
W800は、燃料表示が目盛ではなく、ガソリンが減ったら点灯する燃料警告灯しかありません。
ツーリングを楽しみながら各所の美味しい食べ物を食べた後、初めて点灯していることに気づくライダーも少なくありません。
バイク歴が長いライダーは、体内時計がしっかりしているので「そろそろガソリン少なくなってきたからガソリンスタンド探そう」となります。
ですが、免許取りたてのライダーは、いつ頃給油すればいいか分からず、不安ばかりが募ってしまい、楽しいツーリングが一気に台無しになってしまいます。

車のように目盛があるインジケーターにしてくれたらありがたいですよね。
デメリット③ 高速域での不安定感
街中や中速域では快適な一方、スポークホイール+柔らかいサスペンション特性により、90km/hを超えるあたりから、車体に振れや軽いヨレを感じる場合があります。
特に、強風や路面のわだち・高速道路を使うツーリングが多いライダーにとっては、不安な場面もあるでしょう。
しかし、逆に言えば、通勤・街乗り・近距離ツーリングを中心に「ゆっくりと景色を楽しむ走り方」であれば、長く飽きずに付き合えるモデルといえます。

速さより“味わい”を求めるライダーにこそ合う設計です。
デメリット④ メンテナンス頻度の高さ
金属&メッキパーツを多用した高級感のある外観は、W800の魅力でもありますが、その反面「錆対策」は避けては通れないもの。
特に、フェンダー裏・ボルト部・マフラー接合部など、露出箇所のケアが必要で、雨天走行や屋外保管は劣化を早める可能性があります。
実際に、W800を愛するライダーからも「日頃の手入れが面倒」という意見も見られます。

しかし、丁寧に扱うほど、溺愛してしまうのがバイク乗りの性です。
デメリット⑤ 走行性能・制動力面での物足りなさ
W800の、バーチカルツイン特有のスムーズな回転フィールは、「上質な大人の走り」を楽しめますが、ハーレーのような強い鼓動感を求めるライダーには満足度が低めです。
また、車重の重さに対して、ブレーキ性能が弱く感じたり、電子制御装備が少ないとの声もあります。
ローテクで最低限の装備であるため、故障しにくいというメリットがある一方で、走りを楽しむには性能に物足りなさを感じる場合があります。

W800は、クラシック感と安定した日常走行を優先するライダー向きなバイクですね。
山族ライダーズのW800リセール予測

クラシックバイクの話題では、避けては通れないW800ですが、一年を通して買取需要があるのは確かです。
また、カラーリングが豊富なため、自分好みの色を指定してW800を探しているライダーが多いので、どんなカラーでも人気があります。
2025年11月時点での平均買取価格は約50~60万円ほどで、状態次第では約90万円に届くこともあります。
しかし、一点だけ注意が必要で、デメリットでも挙げましたが、錆が浮いている場合、再メッキ加工するのは費用がかかり過ぎてしまうため、錆びているパーツは交換が鉄則となります。
ですので、査定する前に出来るだけで良いので錆び取りを行い、最高の状態で査定を受けましょう。
また、純正スタイルを好む層が圧倒的に多いので、「社外品パーツが付いているから高額査定になる」ということはありません。
もし、純正パーツが手元にあるなら、装着しているカスタムパーツと交換し、カスタムパーツはネットなどを利用して、別の場所で売ることをおすすめします。

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W800によくあるトラブルと査定への影響

現在のリセール予想がわかったところで、実際に査定に出す前に確認しておくべき項目として、W800によくあるトラブルについて紹介しておこうと思います。
トラブル① 定期的なメンテナンスが必要
クロームメッキの輝きが美しいW800ですが、放置期間が長いと点サビが形成され、カサブタのように広がりメッキを剥がし侵食していきます。
これがメッキの最大の弱点で、劣化しだしたら早いという特徴があります。
常日頃から、メンテナンスや洗車、ツーリングで雨に降られたら、タオルでしっかり水気を拭き上げましょう。
多忙な人ほど見逃してしまったが故に、気づけば「僕のバイクこんなんだったっけ?」という現象に見舞われてしまいます。
メッキを保護するメンテナンスパーツなどが市販されているので、日頃からメンテナンスはしっかりしていきましょう。

日々の小さな積み重ねが一番大切ですよね。
トラブル② 正しい整備判断が大切
W800はカムチェーンを使用せず、ベベルギヤ(常時噛み合い式)方式を採用しているため、「長距離を走るとバックラッシュ(噛み合い隙間)が発生し、ノイズが大きくなる」という意見があります。
しかし、これは半分正しく半分は誤解があり、「ベベルギヤだから音が大きくなる」という考え方ではなく、「タペットクリアランスの増大」によって起こっている場合がほとんどなのです。
まず、製造元であるKawasakiは、設計段階から弱点と耐久性を把握し、対策を行っていることに加え、ベベルギヤそのものが非常に硬く高い強度を持っています。
実際に、海外では「10万キロ以上走行してもエンジン異音が大きくならなかった」という意見が複数存在します。
もし、音の変化が気になる場合は、ベベルギアだけでなく、タペットクリアランスの点検も依頼しましょう。
正しい知識をつけ、買取査定時に「音がするため査定額を下げる」という説明を受けないよう、準備をしておくことが大切です。

ネットの意見より、正しい仕組みを理解することが重要ですね。
W800に乗っている人におすすめな次のバイク3選

W800は、状態次第で高額査定が狙えるバイクです。
愛車を手放すのは簡単ではありませんが、次の一台を選ぶ時間もまたライダーにとって特別な瞬間ではないでしょうか。
ここでは、あなたのバイク選びの参考として山族ライダーズがピックアップした、W800に乗っている人であれば刺さるであろうバイク3台を紹介させていただきます。
おすすめバイク① W650

あえて、インジェクションのW800からキャブ車へ移行するのも面白いかもしれません。
実際に、新型ハーレーからキャブ車の古いハーレーに買い替えた人をよく見かけませんか?
理由は、荒削りな性格が魅力の旧車が恋しくなり、「また乗りたいな」と原点回帰してしまうからなんです。
そして、W650はWシリーズの中で唯一、キックスタートが搭載されており、これがさらに旧車好きに刺さっています。
もちろん、セル始動も出来ますが、キックでエンジンをかける練習をして、平然とキックスタートを周囲に見せつけるのも楽しいかもしれません。

バイク選びは、ワクワクできるかどうかも大事ですよね。
おすすめバイク② ZRX1200DAEG

W650に引き続き、こちらも同じKawasakiで、ビッグネイキッドモデルです。
「W800だと、山道のワインディングでステップを擦ってしまう」と悩んでいるライダーは、ZRX1200DAEGがオススメです。
理由は、他のメーカーのネイキッドタイプより小柄で、日本人の体型を念頭に置いた設計がされている一方で、小さいのに馬力がある良いとこ取りのバイクだからです。
さらに、シート下の収納スペースもしっかり確保されていますし、カスタムパーツがとにかく豊富なことも魅力です。
また、W800では馴染みがなかったブレーキ強化パーツやホイール、サスペンションパーツなど、あらゆる箇所をカスタマイズできる楽しみが味わえます。
フォルムは無骨なカクカクのディテールで、まさに「漢Kawasaki」という印象を持たせる一台です。

パワーも扱いやすさも欲しいライダーには、ちょうどいい一台ですね。
おすすめバイク③ XL1200NS

次におすすめのバイクは、ハーレーダビッドソンのXL1200NSアイアン1200です。
「まさかのアメリカン!?」という声が聞こえてきそうですが、2気筒という点ではW800と同じです。
ゆっくりとした時間を楽しんできたライダーには、一風変わったアメリカ生まれの荒削りな鼓動感が、気に入るかと思い、選ばさせていただきました。
アイアン1200は、木村拓哉さんが所有して一気に広まった車種でもありますが、現在は、完全水冷化した新型スポーツスターSに切り替わり、新車は手に入りません。
全身はオールブラック、タンクのレインボーカラーは、1970年代のAMF傘下だったハーレーが、スポーツスターに採用していたデザインをリバイバルとして採用しています。
それが、現代の人にとってはノスタルジックで、ばっちりハマるデザインとなりました。
アイアン1200は、W800よりさらに、「トルクで走る」を誇張しているような性格なので、買い替えても受け入れやすいとバイクだと思います。
また、カスタムパーツが多いのも特徴で、自分好みにカスタマイズする楽しさを味わえるのも魅力です。

刺激が欲しくなってきたライダーにピッタリですね!
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そう感じた瞬間こそ、査定のベストタイミングです。
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クラシックの美しさと現代装備の安心感、その両方を味わえるバイクって実は多くはありません。